NAB 2010

2010年4月25日 (日)

ジュリアス・ゲナコウスキー、FCC委員長 NAB Show 2010 基調講演

SanFransisco 012

ジュリウス・ゲナコウスキー、FCC委員長 ( Julius Genachowski, Chairman FCC ) NAB Show 2010, 2010.04.12,

■ マルチ・プラットフォーム時代の放送業界


- 今の子供は、自分が見ているテレビが、地上波なのかケーブルチャンネルなのか気にしたこともないだろう
- シリコンバレーのベンチャー企業が、プラットフォームとしてテレビ、ラジオが担っていたメディアの役割をプラットフォームとして代替しようとしている。
- 放送業界は、ブローダー・キャスティング(Broader-casting)としてマルチプラットフォーム展開をしなければならない。
- 米国をモバイルイノベーションのゆりかごになるだろう。
- いまは、将来のための布石を打つときだ。
- プラットフォームは、ユーザーが集まっているところに移動し続けなければならない。
- ローカルコミュニティとの結びつきも重要だ。

■ モバイル・イノベーションへの危機感&期待 ⇒ 高し

- 米国のブロードバンド普及率は15位、スピードは18位。
- 米国のブロードバンド普及が遅れているのは、他産業分野が世界でリードを続けるにあたりリスク要因になっている。
- モバイル・イノベーション以外に、米国がこれから世界をリードできるものはないだろう。
- モバイルインターネットは、雇用創造のプラットフォームになるだけでなく、教育、ヘルスケア、エネルギーなどのソリューションになる。

■ しかし、モバイル無線の帯域不足は深刻だ。

- スマートフォンは、今までのケータイより30倍もデータ利用量が多い。
- ノートPCなどでの無線利用は、今までより450倍も無線利用量を増加させた。
- 米国には2億8000万のワイヤレス無線の利用者がいる。
- ニールセンは2011年末に、スマートフォン契約者は2倍になると予測している。
- モバイルインターネットの利用はこの5年で44倍に増える。
- これらの予測値は、iPad発売前の値である。
- ドイツは、340MHzをモバイルブロードバンド用に割り当てる
- 日本は、500MHz分の帯域を4Gに割り当てる予定だ。
- 他の国は待ってくれない。
- 現在は、パニックに陥る時ではない。これからのプランを立てる時だ。
- もし、危機が来るまで何も行動しなかったら、国際競争力を保つためのコストはとても大きくなるだろう。

■ モバイルインターネットアクセスの帯域がもっと必要なのは明確だ。


- ワイヤレス業界は、800MHz帯の代替分を要求してきた。
- 500MHzをこの10年でモバイルブロードバンド用として割当るという施策を開始する。
- 放送業界が利用している300MHzは、オークションで再割当が必要だという考えの人もいる。このままでいいという人もいる。
- ナショナルブロードバンドプランは、そのどちらでもない施策をとる。
- 放送業界には放送業界に、いくつかのオプションを与える。

■ 電波オークションについて


1.ボランタリーである。誰も強制的に参加させられることはない。
2.
3.
4.オークションプロセスは、公開され透明性を保つ

放送業界に、多様なビジネスモデルを提供し、

■ ブロードバンドプランに関する誤解をまとめると次の4点になる。

1.オークションは放送業界を破綻させる。

2.ブロードバンドプランが、言論の多様性とローカリズムを毀損する。
     - 放送業界がビジネスモデルを多様化させることは、業界を強化し、資金面で言論機関の多様性と公共性を保つことになる。
     - デジタル時代の分散化は、放送業界のビジネスモデルの脅威になっている。放送業界がマストキャリールール無しで、デジタルに新たな投資をするのはチャレンジングだ。
     - 放送局は今まで通りのビジネスを続けてもよい。
     - 帯域をシェアする放送局は新たなビジネスチャンスが広がり、視聴者にも新たな選択肢が増え、利益を増えるだろう。
     - 他の放送局と違うサービスを展開し、差別化を図ることも可能だ。

3. オークションが放送局をモバイルDTVを展開する妨げになっている。
     - 我々は、放送局のビジネスを保護することではなく、イネイブラーになることだ。
     - 放送局はモバイルDTVを割当の6MHzで展開できている。

4. 消費者は新たな機器を買わなければならない。
     - デジタル放送を受信するには、STBやコンバーターでチャンネル再設定するだけで済む。
     - 新たなデジタル移行は、放送局に負担がかかるが、そのコストはオークション収入で賄う。

■ オークションが機能しなかったらどうなるのか?


- 米国はオークションが機能しなければ存在しえない。
- オークションには放送局の参加が必須だ。
- オークションに参加する放送局は、収益源が多様化され、コストが下がり、放送事業も続行できる。
- オークションは、家電、放送、テクノジー業界、起業家などへ、また、消費者、納税者に多大な利益をもたらすだろう。
- この方向性は、私がどうなろうとも、変わらない。
- なぜなら、モバイルインターネット、データ利用などが増加する傾向は変わらないからだ。
- 放送業界は、ブロードバンドプランの本質を理解してもらい、オークションに参加してほしい。

■ エンジニア・フォーラム

- 技術的課題の解決のため、FCCはエンジニア・フォーラムを開設する。
- 放送局、モバイルの技術者が、具体的な課題を検討し、最適な解決策を見出す。

■ ほかの課題

再送信費用の問題(ケーブルテレビ局が地上波テレビ局に再送信費用を支払っている。ケーブルテレビは値下げを求めている) 
- 放送局とケーブルオペレーターは、長年の付き合いがある。
- 普通のテレビが無料なのに、ケーブルテレビ視聴料が上昇する傾向がある。再送信コストのためだ。 
- 20年来、この問題の争点となっているのが、マストキャリー規制だ。
- 私はこの問題を消費者利益に適い、ケーブル、テレビ局双方にとってフェアなように解決したい。

メディアオーナーシップ
- メディア保有は、市場規模などと関連して決められている。
- 今までのコミュニケーションの付加価値、は今でも色褪せていない。
- メディア保有規制とブロードバンドプランは、両立できる。
- いまメディア業界で大きな問題のひとつが、ジャーナリズムの存続だ。
- テレビ局、新聞社、雑誌社は、記者を大幅に解雇している。
- この時期こそ、ローカルテレビ局の出番ではないか。
- 有料、広告放送に限らず、ローカルテレビ局が地域コミュニティに果たす役割は大きい。
- 現在はローカルニュースの黄金時代の幕開けだ。

■ まとめ


- 現在は、危機の時代だ。
- アメリカは、教育、ヘルスケア、エネルギー、安全、経済に問題を抱えている。
- 新しいテクノロジーが問題の解決につながる。
- 放送局と地域コミュニティが結びつき、新たな価値を生み出す。
- イノベーションの変化は、ますます速くなる。
- 我々の行動が、国民全体の利益のためになると考えている。

■ 参考

FCC委員長やNAB CEOの講演(ケビン・マーチン氏 at CES 2009とかゲナコウスキー氏 at CES 2010)はこちら

米国のナショナル・ブロードバンド・プランはコチラ

新聞社のビジネスについて(2009年3月)

新聞社のビジネスモデルについてセッション
 

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2010年4月24日 (土)

ジェフリー・カッツェンバーグ 3Dについて NAB2010

San Fransisco, Obama impeach

ジェフリー・カッツェンバーグ ドリームワークスCEO、NAB Show 2010にて 2010年4月14日14:00

■ 3D映画とは?

- 3Dは映像表現、感情表現をより一層際立たせる。
- 観客への映像体験は、2Dよりもより印象的になる。
- 映画はストーリー・テリングの芸術だ。観客を笑わせたり、泣かせたり、驚かせたり。
- 3Dは、観客がストーリーにのめり込みやすく、映画と観客の一体感が増すと思う。

■ 3Dへ興味を持ったきっかけは?


- 2004年に公開されたロバート・ゼメキス監督の「ポーラー・エキスプレス」を南カリフォルニアのiMAXシアターで見てびっくりした。
- 大袈裟でなく、座席からのけぞったりした。
- 今までにない経験だった。
- 自分のチームに電話して、この作品を見るようにすぐ電話した。
- この作品は、2D を3Dに作り変えており、今の技術から見ると稚拙な部分もあるが、とてもいい作品だ。

■ 映画制作とは

- 映画制作は、人材、技術、資金などたくさんのリソースを使うプロジェクトだ。
- 現在の3D制作は、色々なツールが揃っている。
- 映画撮影は、アーティスティックな仕事である。
- 3Dだけでは目新しさはない。ツールを使って、表現をする時代になっている。
- 3Dならではのカット、編集が求められる。

■ 家庭での3Dテレビの普及

- 去年サムソンが3Dテレビを発売した。家庭でも楽しめる。
- 自分の家にもあるが、2Dと3Dを切り替えるスイッチがついている。
- 3D映画は十分楽しめる。
- フットボール、バスケットボール中継は、まだまだ発展途上だ。
- 3Dテレビの普及に、スポーツ中継は大きな役割を果たすだろう。
- 2年前映画製作の契約には、家庭内3D配信の評価は入ってなかった。これから3Dテレビが普及することで、映画の価値もあがる。

- ドリームワークスは、シュレック3作品ある。これらの作品はデジタル撮影だ。3Dへのコンバートは容易だ。
- 来年夏は、カンフー・パンダ2が公開される。
- この2年間で、3D技術はとても向上した。

- この10年映画産業は停滞していた。映画チケットは値上げできなかった。
- その理由は、ホームシアターが充実したからだ。大画面、液晶など家電製品のイノベーションが映画を上回っていた。
- 3Dはそれをひっくり返すイノベーションだ。
- 3Dで、映画館はこの10年で初めてチケットを値上げできた。
- 来年のCESには、メガネの要らない3Dテレビが展示されるだろう。
- 10年後には、映画館、屋外看板でもメガネの要らない3D映画が公開される。
- 3Dはギミックではなく、映像表現の一つになるだろう。
- サムソンは、3Dテレビを買う人に3D映画(モンスター対エイリアン)をオマケにつけたり、3Dシュレックを家庭で楽しめるキャンペーンを展開している。こうした普及活動はすばらしいことだ。参考:サムソンのプレスリリースはこちら
- 昔の白黒映画を3Dにすることは簡単だ。しかし、どのフォーマットで映像制作するかは表現の問題
- 海賊版の90%は、映画館で撮影されたものだ。3Dはその対策になる。
- メディカル問題にも対応していく。

過去の3D関連の記事(RIGだの、3D映画の値段だの、BskyBの3D戦略atNAB2009だの)はこちら

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