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2009年12月22日 (火)

上坂真人インタビュー2 - サーチじゃなくてセレクト -

ロックメディア 上坂真人インタビュー 本もやる出版社

社会部長がタッケン禁止って・・・

志村 コニチワァ。

上坂 はい。

志村 ビジネス進んでますか?

上坂 結構、ヒキいいですよ。

志村 今日は何話しましょう?

上坂 なんでもいいよ~。

志村 エンタメってなにか?とか。

上坂 ツイッターと動画をネットで流しても、エンタメとは言えませんよ。

志村 Kindleどうですか?こうやってiPhoneで買えるんですよ!

上坂 まぁね。

志村 関心なしと。

上坂 そんなことないけど。

志村 あれどうですか?出版社のデジタル取次?

上坂 あ~あ

志村 それも関心ないの?

上坂 ないねぇ。出版社っていうのがダメですよ。新しいコンテンツ生み出せないもの。
バイヤーとして失格。

志村 うーん。

上坂 大体さぁ、ジャーナリズムを標榜するなら、論座、現代、諸君、フォーサイトやめるなってことよ。

志村 最後まで守るべきものだろと。

上坂 高校の友達がさ、テレビ局の社会部長なんだけど。タクシー禁止なんだって。

志村 はい。

上坂 ガックリきちゃったよ。社会部長がネタ仕込むために自由に動けないんだから。研究開発部門ないメーカーって存在理由ないのと一緒だよ。

志村 はっはい。(一例として、ホンダの研究開発費は売上が減少した2008年度も伸びている。)

重厚な装丁に、凄いと思ってしまった

志村 この前「フリー」の出版パーティ行ったんですよ。

上坂 あぁ、行ったの。

志村 ツイッターとか流してて、おもろかった。

上坂 まだ読んでないんだよ。

志村 あぁ

上坂 いや、オレ、自分自身にショック受けた。

志村 どーしたんですか?

上坂 無料ダウンロードしたのよ。青い表紙。

志村 そうそう。

上坂 あれ見たとき、80ぺージくらいの薄いブックレットだと思って、ちょっとバカにしてたんだよね。

志村 えー。

上坂 それで、買った人に見せてもらったらさ、なんかこれ凄いじゃんって思ったの。あの厚さに。

志村 結構厚いよね。

上坂 重厚な装丁見て、これはスゴイって思ったんだけど・・・ 実はそんな自分がショックだった。本をいつもバカにしてた自分が。

志村 ハハハ・・・ それって、刷り込み?

上坂 そうだね。本は知性の塊って、若い頃から本にいろいろ教わってきたから。

予言:量から質への大転換 in Internet

志村 デジタル出版にも、そういうブランディングが必要なわけですよね。

上坂 そう。クオリティだね。アクセス数よりユーザーやコンテンツの質が見直される時代が来る

志村 ほう。

上坂 20年前は、100万部売ってる雑誌がいちばん高い広告料金取ってたんだよね。15年前から、7万部の雑誌も100万部と同じ広告料金取れるようになったんだよ。

志村 そりゃ、またなんで。

上坂 世の中が多品種少量生産の時代になって、コンテンツの質と読者の質が重視されるようになった。

志村 へぇ。

上坂 デジタルでも同じことが起きるよ。これから。

志村 そうすか?

上坂 今はどれだけ利用してる人がいるとか、ページビュー数が基準なわけじゃない。

志村 うん。

上坂 でも、インターネットもこれから揺り戻しが起きて、必ず質が問われるようになる。メディアの質的変換が起こる

志村 ふーむ。

上坂 だってさ、ツイッターとか今までの下書きみたいなモノが流れてるんだよ。

志村 でも、それ楽しいですよ。

上坂 それは、だからデジタルに関わってる人が思ってるだけ!

志村 そーなの?

上坂 ツイッターって250万人?使ってるの。それ以外の人はさぁ、日々忙しくて、そんなの見てられないよぉ。

志村 ふーむ。この前雑誌社の人と話したら、日々の業務が忙しすぎて、ツイッターなんかやる暇ないし、出版業界のことなんか考える状態じゃない。もし、ヤバイとしても、他に転職できないから、今の会社がなるべく存続するようにがんばるだけだって言っとりました。

上坂 出版業界の人は、逆にこの分野は勉強せねばならないのだから、その人は失格。でもフツーの働いている人と考えると、まさに、その通り!

志村 ふーむ。

サーチじゃなくてセレクト

上坂 ツイッターみたいにさ、細かい情報たくさん流れてごらんよ。ウザいだけよー。

志村 そーすね。でも、自分で好きな情報だけを選べるんすよ。

上坂 まぁ、それはデジタル系の人だけですよ。能動的に行動するのは。

志村 あぁ、はい。

上坂 誰か、整理して見せる人が必要なんだよ。普通の人にとっては。

志村 そうなんすかねぇ。サーチとか。

上坂 サーチは無理だよぉ。誰かにセレクトしてもらう必要があるのよ。

志村 はっはぁ・・・

上坂 大体必要な情報って、自分の趣味と生活に必要な情報の2つだけでしょ。

志村 はっはい・・・

上坂 昔は、「ぴあ」に全部必要な情報が載っていたし、それが重宝されていた。

志村 ふむ。いまは。

上坂 でもいつしか、そこからセレクトされた「東京ウォーカー」の時代になった。だから、そういう揺れ戻しが起きるのよ。インターネットのサービスは、ツイッターみたいに不要なもんがたくさんあるの。

志村 そこに出版社とか編集の活躍する場所があるわけですね。

上坂 いや、出版社はダメ!面白いモノ作れないじゃきに。 

志村 デジタルもまだまだと。。。

上坂 デジタル系の人もダメですよ。デジタルに固執しすぎ。普通の人目線ないもん。

志村 はい。

上坂 出版社もデジタルに、逆固執してるしね。

志村 誰がやるんすか?


コンテンツビジネスの廃藩置県


上坂 そこに、ビジネスモデルを確立したいのが、僕の目標なの。

志村 コンテンツの目利きみたいな人ですよね。

上坂 そうじゃきに。

志村 維新?

上坂 廃藩置県ですよ。

志村 出版社が藩で、新たなコンテンツ整理&配信組織が県。

上坂 でも藩の中心人物は、新政府の中枢には誰も入らなかった。藩の反乱者か脱藩者にしか新政府はできなかった。出版社や新聞社は消滅しますよ。このままでは。

上坂 コンテンツを紙、テレビ、書籍、携帯からセミナーまで、そのコンテンツと受け手に合わせて、色々な手段で提供したいのが、僕のビジネスモデル

志村 ふむ。

上坂 そこがきちんとしていれば、そこからビジネスモデルも決まってくるし、紙だって生き残れる。

志村 なるへそ。

上坂 今、出版社の抱える問題って3つあるよ。ひとつは、コンテンツのつまらなさ。そして、返本率の高さ。3つめが読者の顔が見えないから、広告クライアントの信頼を得られないこと。

志村 ふむふむ。

上坂 ボクが考えてるビジネスモデルは、その3つの問題点を全部解決できるわけよ。

志村 はっはい。

上坂 メディアが先じゃなくて、いいコンテンツが先なの。いいコンテンツをどうやって売ったらいいか、をすべてについて自由に考えましょうってことです。

志村 プランナーみたいな仕事?独立プロデューサーみたいな。

上坂 その機能はあるけど・・・

志村 電通とかのビジネスみたいなイメージ?

上坂 いやいや、違う。自分たちがコンテンツの責任をとるから、電通ではない。新しい形のメディア企業。私がやりたいのはあくまでもメディア企業なの

志村 でも、コンテンツ探して、リスク取ってやる人っていないでしょ?

上坂 出版社とかだと、失敗しても責任とらないから。日本って、ソニー・ホンダ以来、世界に行ったベンチャーが育ってないでしょ。

志村 そうですよねぇー。

上坂 アメリカは、50年前に創業したベンチャーなんてもう存在してないわけよね。

志村 目利き、セレクト部分も、常に新規参入がないとダメになりますよね。新聞もテレビも流通部門が再販、規制で守られてて、自分で売る必要ないから、お客さん目線無くなるんですよ。

上坂 メディア業界を見渡して残念なのは、土日とか深夜使って、なんかビジネス考えるような若者が見当たらないってことだね。

志村 成功したセレクト部門の人が、ずっとのさばると若い人がつまらない。そこはオープンなままの状態を保ちたいですぅ。

上坂 自分はビジネスモデルを広めたいだけでね。成功しても独占するつもり全然ない。

コンテンツって二極化しますよ

志村 コンテンツってなに?

上坂 コンテンツは、知恵とお金とエネルギーが詰まったモノじゃなきゃダメです。

志村 はい。でも、そのいいコンテンツのライバルってユルいCGMですよね。プロのライバルは、業界内じゃなくて、一般の人ですよ。

上坂 そうだね。

志村 この前ニワンゴの社長の話を聞きに言ったら、放送コンテンツは、メッセージ性が強すぎる。それをユルいインターネットの世界にそのまま持ってきても成功しない。誰もツッコミいれられないからって言ってたんですよ。

上坂 うん。

志村 これからのコンテンツってそういうユルさを出さないとウケないんじゃないでしょうか?

上坂 ツイッターとか?

志村 はい。

上坂 そういうのはさ、自分で目利きできる範囲ならいいよ。でもちゃんとしたコンテンツ、信頼できるコンテンツじゃないとウケませんよ。

志村 でもなぁ。お金払ってもらうコンテンツとユルいものを二極化されるんじゃないですかね。

上坂 なるほど。

志村 ネット動画を見て、テレビ局の人がプロの仕事じゃないって思うのはわかります。「ガンマ補正が・・」とか色調調整して映像仕上げてる人から見たら、ネット動画は許せない。

上坂 うん。

志村 でもそれって、プロかアマかの違いじゃなくて、単にメディアの違いじゃないすかね?

上坂 まあね。

志村 放送に合う番組と、インターネットにあった映像は違うのが当たり前と考えたほうがいいですよ。忙しい昼飯にフルコース食べてもしょうがない。忙しいときは、立ち食いうどんで充分満足なんすよ。

上坂 はい。

志村 テレビの基準でインターネット上の映像を切り捨てちゃいけません。

上坂 さっきの本と同じだね。

志村 これからコンテンツって、上坂さんが目指すようなブランド力あるコンテンツと、ユルいCGMの二極化していくんじゃないですかね?

上坂 そうかね。

志村 中間がなくなるという。インターネットって中間層が無くなりますよ。

上坂 ほう。

志村 最近、自動翻訳ってたくさん出てきてるじゃないですか?情報取りたい人って、完璧な訳って必要ないんですよ。なんとなく何言ってるか分かればいい。英語がわからないだけで、その分野の知識はあるわけですから。

上坂 うん。

志村 いや、そういうちょっとした情報は無料で手に入ってしまいますよね。だから、あまり考えてないテレビ番組って批判が強いのかなぁって思います。これなら自分でもできるよって思うか。ほかにオモロいことあるよ。って

上坂 そりゃそうだ。

志村 日本の新聞社だって、ネットに無料で出したから衰退してるんじゃなくて、そもそものコンテンツが読者が読みたいモノからズレてるんすよ。誰と誰が料亭で会っていた。そこで、○○解任の流れが・・・とか。そんなの読みたくないよって。

上坂 そうそう。

志村 ストレートニュースは、ツイッターに任せておけばいいんです。それ以上のコンテンツを出してくれって言いたい。夕刊のコラムとか、都内版とか面白い。出雲レポートとか、目とか、1面下のシリーズとか。夕刊みたいな記事読みたい。

上坂 そうなの。だからいいコンテンツを探す必要あるんだよ。

コンテンツ制作は、コストじゃなくてプロフィットなんだ

志村 信頼性のあるコンテンツは誰が作るんですか?

上坂 あえて言うと、既存メディア企業ではない大企業になるでしょう

志村 情報は、まぁあるとは思いますけどねぇ。

上坂 彼ら一般企業はまだ、本気じゃないけど。本気出して、自分たちの持ってる情報でコンテンツビジネスしたら凄いって。出版社なんて20億円あればできるのよ。安いでしょ。

志村 メーカーがお金出しますかね。

上坂 うん。いま広告費は削減されてるわけよ。でも、メーカーは、お客さんとできるだけ長期間接点持ちたがってるよね。

志村 ライフタイムバリューってやつ。

上坂 でも、自社の宣伝だけしてもしょうがないじゃない。

志村 はい。

上坂 だから、広告以外のコンテンツも制作する必要があるんです。

志村 でも、メーカーって、利益が少しでもあるんだったら、研究開発に回したいんじゃないですか?特にこの時代の変わり目タイミングは。

上坂 コンテンツ制作は、プロフィットを生むんだよ。今までコストセンターだった広告宣伝が、プロフィットになる。JTBの旅行コンテンツなんていくらでもビジネスモデルが考えられる。

志村 なるへそ。

上坂 あと、メディアを持つと社会的地位も上がる。それに、コンテンツ発信することによって、いろいろな情報が集まってくる。

志村 うーん。わかるんですけどねぇ。メーカーの人たちって、想像以上に固いですよ。コンテンツ作れるんですかねぇ。

上坂 でも上場企業って3000社あるんだよ。どこかにいますよ。今日の日経MJにだって、サイト企業が雑誌出すとか、一般企業がサイトオープンするとか、たっくさんのっていますよね。出版社がどんどん廃刊する以上の数、一般企業からメディアが誕生しているわけですよ。そして、誕生したばかりのものは、成長するんです。

上坂真人インタビューその1は、コチラ

2009年12月14日 (月)

CDNってなにっ? ブライトコーブって?

ロックメディア CDNって?ブライトコーブって

動画配信におけるCDNとオンライン・ビデオ・プラットフォームについての資料をダウンロードする(PDF)

ノコギリガールの「ホントこの世はぁ、ガタガタ朝方~」が頭から離れない。「上野発のぉ夜行列車ぁ」って歌詞も、何故かスラスラでてくる。3・3・7拍子?

谷川俊太郎さんは、「言葉そのものをモノのように存在させることを目指している」という。「古池や蛙飛び込む水の音」は、メッセージもなく意味すらないが、何かを伝えている、とも。(朝日新聞2009年11月25日)

クワガタ、朝方、上野発・・・言葉自体は立っているけど、イメージも付いてくる。そもそも言語とビジュアルの関連性ってなんだっけ。

動画配信プラットフォームのブライトコーブ社(Brightcove)お二人にお話を聞きました。

ジェフ・ワトコットさん(Jeff Whatcott, SVP Marketing、Jeff Whatcottさんのページ'At First Light'

須賀 'Gus' 正明さん(マーケティング、シニアディレクター、須賀さんのFlash関連著書はコチラ

ジェフさんは、「日本人はビジュアル人間だ」という。Ustreamが超盛り上がってるし(⇒革命でしょー)。これから、動画の表現力は重要になっていく。仕事でも必須スキルになるんじゃない。

 

志村  こんにちは~。

ジェフ  こんにちは。

志村  日本語ですね。

ジェフ  そうですね。学生時代日本に2年間いました。

志村  それまたどうして?

ジェフ  モルモン教の宣教師として。ケント・デリカットさんと一緒。

志村  あぁ。自分も話しかけれられたことあります。

ジェフ  アメリカに戻ってから、経済を専攻して卒業したあと、日本で就職しました。

志村  ほう。

ジェフ セイコー電子工業で通訳してました。大山工場。富士山が目の前に見えてねぇ。

志村  自然がたくさん。

ジェフ そう。紅葉とか。

志村  あぁ。ジェフさんのサイト見ましたよ。写真きれいですよね(←ジェフさんの写真。かなり奇麗デス。今回の滞在分もある)。カレンダー買おうかなぁ。

ジェフ あれね。僕の写真見て、皆カレンダー欲しいっていうから、配ってたんだけど、だんだん希望者増えちゃって。印刷費が大変だから、今はサイトで申し込むようにしてる。

須賀  そんなのやってるの?

ジェフ そうね。


 


★ 日本はビジュアル文化

ジェフ 日本は、とてもビジュアルな文化だよね。伝統的に。

志村  へぇ、そう?

ジェフ アニメ、マンガ、映画、歌舞伎とか。

志村  アニメはねぇ。

ジェフ 富士山にモミジで、なにかイメージ湧くでしょ。

志村  なんか、秋で温泉でおいしいもの食べてとか・・

ジェフ アメリカ人はそこまで想像できないよ。たとえば、英訳された俳句に 'Moon, Very Bright, Very very bright'っていうのがあるんだけど。日本人は「月が大きくて輝いて」て、 なんかスゴイ、キレイみたいな気持ちをイメージできるよね。

志村  はいな。

ジェフ でも、アメリカ人にとっては、「月がブライト?それで?」って感じにしか捉えられないんだよね。

志村  えー。

ジェフ 「ハロー・キティ」、結構アメリカでも流行ってるけど、ハロー・キティって最初、単なるキャラクターだったでしょ。

志村  はっ、はい。

ジェフ アメリカ人は、キティってどういうストーリーなの?とか背後の物語を聞いてくるんだよね。

志村  ほう。

ジェフ なにもないって答えると理解できないという顔されるね。

志村  へぇ

ジェフ あと、「ラストサムライ」のラストシーンで、渡辺兼が切腹した後、風景を見ながら「パーフェクト」って言うんですよね。アメリカ人は、それを見て「えっ、なんで・・・死んでるのになんで風景見えるの???」って思っちゃう。そのシーンの意味を理解できないんです。

志村  ふーむ。

ジェフ ビジュアルから、深い意味を攫むことができないんですね。

志村  じゃあ、印象派とか風景画には関心ない?

ジェフ そんなことはないけどねぇ。。たとえば、詩なんかも難解な言葉や文脈で雰囲気を醸し出すのが好まれます。

志村  へぇ。おもしろいですね。確かに、パワポに図とか絵入れるの日本だけ?

ジェフ アメリカ人、絵描ける人少ないよ。絵描くのは特殊な技術だと思ってる。

須賀  アーティストへのリスペクト感は、アメリカの方が上かも。

志村  アメリカ人のほうがビジュアル人間かと思ってたぁ~。

ジェフ アメリカは、言葉文化ですね。

須賀  米国本社の女性が日本来ると、日本の女性は「なんて奇麗なんだ!」ってびっくりしますよ。

志村  へぇ。

須賀  普通の人でもオシャレだと。

志村  それって、日本人はビジュアル人間だから、絵的にマネする才能あるってことか。

ジェフ  日本の文化わからん人には、この「雪月花の心」っていう本を勧めてます。英語と日本語で書かれてる本ですね。

CDN


★ CDNとブライトコーブって違うの??


ジェフ よくCDN(Contents Delivery Network)ブライトコーブは違うの?って質問されるんだけど・・・

志村  あぁ。

ジェフ CDN業務もブライトコーブが提供するサービスの一つなんですよ。

志村  はい。

ジェフ 動画流すには、広告配信、どの動画流すか、とか色々なワークフローが必要なんですね。CDN事業者がやろうと思っても手が回りません。

志村  なるほど。

ジェフ ブライトコーブはアプリケーション・レイヤーの会社ですね。CDNのようにインフラ企業ではないです。

志村  ふーむ。ライバルじゃないのね。

ジェフ ライバルというより協業関係ですね。ライバルは60社くらいいますが。

須賀  日本だとスキルアップジャパン、米国だとKalturaとか。(KalturaはDACと提携した)

志村  なるほどね。その辺は、合従連衡繰り返して、レイヤーの境界はあいまいになっていくんでしょうねぇ。

ジェフ 最近、アドビがオムニチュアを買収しましたね。(2009年9月15日、18億ドル)

志村  したした。

ジェフ あぁいうことは、多少しますが、プラットフォームとアプリケーションは別モノで、プラットフォームはプラットフォームだけをやるっていう文化みたいなものがあります。

志村  入ってはいけない一線があると。
ジェフ そう。

志村  でも、アドビがブライトコーブを買収したり、ブライトコーブがCDNを買収して、垂直統合モデルをするなんてのはないんですか?

ジェフ 買収というより、協業ですね。

須賀  たとえば、マイクロソフトが自分たちでセキュリティソフトやいろいろ作ったら誰もウィンドウズ用のソフトを開発してくれなくなるじゃないですか。

志村  はい。

須賀  だから、ブライトコーブの分野はブライトコーブに任せたほうが、全体の場の利益になるという考えですね。アドビはFlashが広まればいいわけです。

志村  なるほどねぇ。水平分業が徹底してる。

須賀  そういうエコシステムになってます。

志村  クラウドとはどういう関係になるんでしょうか??

ジェフ うーん。アマゾンとかグーグルとかとは違うビジネスだね。アドビがオンライン・ビデオ・プラットフォームビジネスをしないと同じで、クラウド企業とも協業関係だよ。

志村  ほう。彼らがブライトコーブのような業務に進出して、ワンストップサービスを提供するのかと思ってました。

ジェフ そこは、エコシステムのルールが守られてるね。インフラは、コモディティ化しちゃうでしょ。その点、アプリ分野は、いい粗利率を上げがられるんです。


★ 調子いい、ブライトコーブ


志村  ブライトコーブ、調子はいかがですか?

ジェフ かなりいいよ。2009年は、対前年比で50%伸びた。

志村  すごいね。全世界ですか?

ジェフ そうですね。米国と海外の売上比率は8対3です。800社と取引してます。

須賀  海外は、ニューヨークタイムズとかワシントンポストとか、新聞社やテレビ局とか。主要なメディアに採用されています。

志村  すごいですね。

須賀  ちょうどタイミングがよかったんですね。新聞社のデジタル進出と時期が重なった。ニューヨークタイムズに採用されて、ローカルメディアにも広まりました。

ジェフ これからは、海外市場に出ていきたいですね。海外オフィスは、イギリス、ドイツ、スペイン、中国など27ケ国にオフィスがあります。

志村  中国は営業支店ですか?

ジェフ いや、開発ですね。北京で少しだけ。開発は主にアメリカのマサチューセッツです。

志村  なるほど。日本はどうですか?

ジェフ 伸び率は無限大。始まったばかりだから。

須賀  1年前に日本法人を設立したばかりです。

志村  いちばんいい時期ですね。

須賀  そうですねぇ。でもビジネス始めてすぐリーマンショックでしたから。事業計画は、それ以前に作ったものなんですが、その計画を達成できているので、結構スゴイですよぉ。

志村  それはすごいねぇ。

須賀  出資集める時期も良かったと思います。


★ アーリーアダプター層を確実に取り込みたい


志村  今採用されているテレビ大阪とかは、自分たちで営業しているんですよね。

須賀  そうですね。

志村  いちばん刺さるセールストークってなんですか?

須賀  広告挿入が楽っていうのは結構ウケますよ。

志村  でも、もうネット広告への幻想って無くなってませんか?

須賀  そうですけどねぇ。

志村  メディア企業より、広告クライアントに直接営業したほうが市場開拓になりませんか?

須賀  うん。でも今のところ、メディア企業が第一のターゲットですね。雑誌メディアなんかは、動画を利用してEコマースをしているんですよね。そういった企業には喜ばれています。

志村  なるほどね。

須賀  今のところは、メディア企業、アーリーアダプター層を狙っていきたいです。

志村  ローカル市場はどうですか?レストランとか魚屋さんとか。区役所とか自治体も動画制作のセミナーしたりしてますね。

ジェフ ローカル市場は今後攻めたいマーケットです。米国では11月16日に、「ブライトコーブ・エキスプレス」という中小企業向けのサービスを開始しています。ビデオ10本までなら月額99ドルで利用できます。

志村  売れてますか?

ジェフ 評判いいですね。

志村  もうネットで向こうから申し込んでくる感じ?

ジェフ そうですね。プッシュ・セリングじゃなくて、プルですよ。

志村  じゃあ、日本でもエキスプレスバージョン出していくんですね。

須賀  いや、日本はまだ時期早いかなって思ってます。

志村  なるほど。今後顧客拡大のための、営業体制はどうするんでしょーか?

ジェフ いま、SI業者さんを募集しているところです。

須賀  営業体制は、前職のマクロメディアでも苦労したんですよー。

ジェフ SIさんも、それぞれ得意分野があるので、なかなか上手いパートナーシップ関係が組めないんです。

志村  SIさんに売ってもらうとなると、動画の使い方ってとこまで、SIさんがクライアントに提案できないと中々売れないですよね。

ジェフ そうなんです。それは今考えてます。

須賀  やっぱり、成功例を出していかないと。

CDNserver


★ 既存ワークフローに合わせるのがポイント


ジェフ 我々は、ウェブページに動画が載ってるのは当たり前になると考えています。

志村  そうですね。動画表現は、作るのも見るのも当り前になりますね。ビジネスパーソンにとっても動画表現力は必須スキルになるんじゃないかな。

ジェフ でも大量の動画を管理して配信するって、結構複雑なんですよ。

志村  ほう。

ジェフ 動画をアップロードすると、メタデータがブライトコーブのサーバーに配信されて、どんなプレイヤーで見せるかをブライトコーブのサーバーが判断します。視聴者には、スポーツならスポーツぽいプレイヤーで映像を楽しんで欲しいですよね。そのプレイヤーで流す動画のプレイリストも設定しとく必要があったり。

志村  メタデータって自分で作るんですか?それとも自動的になにか吐き出す?
ジェフ タイトルとかあらすじなどは、自分で打ち込まなければならないですね。メタデータで大事なのは、広告関連の設定です。

志村  ほう。

ジェフ 広告クライアントの選択、配信期間、配信国などのメタデータをブライトコーブ、広告代理店のアドサーバーが判断して、広告を流します。

志村  メタデータって、世界基準みたいなものはあるんですか?

ジェフ いやないですね。IABが新しいVASTという規格を出しているけど。みんなビミョーにすこしずつ違います。

須賀  ブライトコーブの強みは、アドネットワーク30社の規格に既に対応していることなんですね。動画の広告配信って、実際はケッコー手間なんですよ。各社でフォーマットが少しずつ違いますから。

志村  なるほどねぇ。

ジェフ 色々カスタマイズできるように、API(Application Program Interface)を公開してます。

須賀  アーリーアダプター層は、クライアント企業に詳しい人がいて、新しい会社ができたってことで導入して戴くケースが多いので、API使ってプレイヤーを作ってもらったりしてます。

ジェフ 新しい仕組みって、現場の人にとっては覚えるのが面倒ですよね。だから、API使ってもらって、今までのワークフローに合ったシステムや管理画面を作ってもらうんです。

志村  なるほど。

ジェフ アメリカ企業は結構企業内にプログラム書ける人がいます。だから、ブライトコーブ入れるときに、適宜カスタマイズできるんですね。

志村  日本はどうなんですか?

須賀  あんまりいないですよね。だから、SIさんに任せるケースが多いです。


★ オンライン動画と映画しか見ないなぁ・・・テレビは??


志村  Huluってホントに見られてるんすか?

ジェフ うーん。見てると思いますよ。私の16歳の息子は、テレビ見ないね。

志村  やっぱり。

ジェフ テレビは長いから、見たくないって言ってる。友達と見たいとこだけパソコンで見てるよ。

志村  なるほどねぇ

ジェフ そういうの「Video Snacking」と言います。番組のオツマミですね。

志村  短尺なコンテンツがいいんだね。

ジェフ みんなパソコンの周りに集まって、面白い映像見てコミュニケーション取ってるよ。

志村  そうだね。

ジェフ 息子からネットビデオをテレビで見れるようにしてくれって言われてる。そうしたら、ネット動画でもカウチポテトするよって。

志村  そうかぁ

ジェフ あとは、映画は見に行くよ。

参考:

CNET アドビのオムニチュア買収の真意は?

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2009年12月10日 (木)

ニコニコ動画 杉本誠司社長 講演メモ -メディアビジネス研究会-

[まとめ]

・ コミュニティに、参加することで自分を確認する。
・ 買う、投稿する、コメントする、などが全てコミュニティに参加する活動になる。
・ 運営側は、その帰属行動の途中で、運営費分をいただく仕掛けを考える。コマースアフィリエイト、ニコニ広告、プレミアムサービスへの有料課金

 放送は一方向・完成品・メッセージ性を求められる。通信、ネットの場は、リクエストを出し、情報が帰ってきて成立するコミュニケーション。だから、送り手は半製品、ユルいコンテンツが求められる。 

・ コミュニティの変貌

- コミュニケーションを体感する場。映像配信でなく、SNS、コミュニティを提供

- 非同期コミュニケーション。いるんだけど、いない。

- 「深く語り合わない」「ユルい」 ⇒ コミュニケーションが簡素化している。

- ユーザーは、その場に大勢の人が居たことを体験したい。実際は居なくてもよい。 ⇒ ログを残しておけば、少ない参加人数でもたくさん人がいることを演出できる。

- ニコニコ動画ユーザーは、ニコ動で他ユーザー(又はコメント)と接触することにより、自分の存在を確認するのが、究極の目的

コミュニティのビジネスモデル

- 動画の下に貼るアフィリエイト・コマース。「高い場所から降りれないネコ」の動画に「ハシゴ車のオモチャ」の販売サイト。そのココロは、「このハシゴ車があれば降りれるじゃない」

- ハシゴ車を貼った人は、ハシゴ車が売りたいのではなく、「ハシゴ車」で助けたいっという 文脈が他のユーザーに支持されれば、満足する

- マイクの販売。今までに50,000人がクリック。4,500人が購買。

- 映像による高揚感。買うことが本質な欲望ではなく、買うことにより、コミュニティに参加・帰属している気分になる。

・ 放送と通信、ニコ動の違い

- 放送は完成品を流す伝送路。一方向。メッセージ性が求められる。

- 通信は、リクエスト出したり、電話かけたり、やり取りが必要。インタラクティブで完成。半製品。

- 通信の世界で、放送に使われる一方向コミュニケーションの完成品を流しても、本能的に伝送路の半分しか使ってない気がしてしまう。

・ データ

- 無料会員 1,461万人。有料会員 55万人。モバイル434万人。男性68%。20代71%。30代19%。10代増加。

- 月間6,070万PV、37分/日、279万/日

- ピークタイムで、同時視聴10万人

- 2009年11月13日発表の決算説明会資料 21ページからがニコニコ動画

・ ニコ生

- 同時10,000人まで。

- コミュニティに参加する」から「発信する」に変質

- 映像の質は低下するが、付加価値は工場している

- 月額500円のプレミアム会員だけ可能。視聴者1,000人まで。

- 98万番組、19,870人が発信。1,500万回視聴。視聴者数46万人。

・ 著作権

- 著作権はコストでなくプロフィット。

- フィンガープリントで、CGMを指紋照合。

- 広告収益をシェアなどのオプションを選択

・ ニコ動のミッション

- ユーザーとユーザー、ユーザーと誰か、コミュニティの利害関係の合意を見つけるのが仕事

2009年12月9日 麹町

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2009年12月 7日 (月)

コムキャストのNBCユニバーサル買収

ロックメディア コムキャストのNBCユニバーサル買収について

コムキャストのNBCユニバーサル買収についてのまとめ資料をダウンロード(PDF:808Kb)

           

あなたの30年来の商売が、いきなり無料で巷に溢れだしたら、どうしますか?オマケつける?値下げ?商売替え?訴訟?

アメリカのケーブルテレビ局最大手の「コムキャスト」がテレビ局とハリウッドの映画会社である「NBCユニバーサル」を買収した。

     

映画を買って、お客さんからお金を取って流す商売は、もう儲からない。コムキャストは、映画制作会社に商売替えをしたいのだろう。

      

 

もう3年前から、ベンチャー起業家は「みんなテレビ局じゃなくてドラマを見たいんだ!」と叫んでいた。「我々は、ユーザーが見たいときにドラマを見れる方法を提供するっ!」

その結果・・・

いまや、24を見るのにテレビは必要はない。録画、YouTube、パンドラTV、Veoh、TwirlTV、Hulu、Boxeeなどなど。。3年前の夢はだいぶ叶っている。

オーバー・ザ・トップ、U-Stream、ツイッターとテレビ・・・新たなテレビの姿はテレビ局、テレビメーカー以外から生まれてくる。

テレビが出たとき、映画館はどうしたか?映画館を豪華にして対抗した。それでも、客足は戻らなかった。。。イノベーションは、エボリューションからは生まれない。

     

■ 参考 ■

NBCユニバーサル ザッカーCEOの講演 2009年3月 ニューヨーク
NBCユニバーサル モバイル展開に関するセッション 2009年2月 ニューヨーク
Hulu カイラーCEOの講演 2008年4月ラスベガス
Boxee Ronen CEOの発言 2009年3月 ニューヨーク
カヌー・ベンチャーズ出席のセッション 2009年10月 サンタモニカ

■ 参考2 ■

タイムワーナー・ケーブル 2009年9月末加入者数 2009年11月5日発表 
コムキャスト 2009年9月末加入者数 2009年11月4日発表
コムキャスト NBCユニバーサルとジョイント・ベンチャーについて 2009年12月3日 パワーポイント資料とスピーチ
'NBC U deal makes Comcast CEO player' Variety, 2009年12月4日
'In Secret Meetings, Comcast Wooed G.E. and Won NBC', ANDREW ROSS SORKIN and TIM ARANGO、New York Times, 2009年12月2日

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