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2007/03/30

映画批評 映画王モリコラム 「リトル・ミス・サンシャイン」(2006/米)

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「リトル・ミス・サンシャイン」(2006/米)

現在公開中のこの作品、決してお金を掛けたアメリカ映画では
ないけれど、その愛らしさゆえ絶品の味わいを与えてくれました。
物語は美少女コンテストに参加することが決まった娘の為に、
家族である父母、兄、祖父そして叔父を含めた6人が家から
遠く離れた会場へ黄色いおんぼろのミニバスで赴く道中から
そのコンテストまでを描いた典型的なロードムービー。
まずこの6人のそれぞれのキャラクターを実に手際よく紹介し、
その後一同が会する食事のシーンでこの家族の問題を浮き彫り
にさせる冒頭のわずか数十分間、このつかみだけでこの映画の
世界が見事に凝縮されていて、それぞれ個性的な登場人物の特徴
を最初に的確に把握することで感情移入でき、その後の展開を
興味深く見守ることになります。
そして「勝ち馬」を目指しながらも実は「負け犬」であるこのバラバラで崩壊寸前の家族の姿を、作り手の視線はあくまで淡々と客観的に描き、それ故に程好いユーモアと哀感が滲み出てきています。
そんなある意味醒めたタッチこそが、クライマックスのコンテストに象徴される、アメリカの競争社会に対する皮肉を強烈なものにしていますし、そこでの思わぬ出来事が、これも皮肉な事に逆に家族の再生に繋がっていくのが、しみじみとした感動を与えています。
6人の登場人物の誰もが本当に個性的で面白く、それぞれがきっちり1人立ちして描かれているのが、この作品の魅力に大いに寄与しており、それぞれに肩入れしながらも、いつの間にか最後はこの家族そのもの一体をつい応援したくなる、そんな魅力的な映画なのです。

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