映画評論 映画王モリコラム 「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997/米)
「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997/米)
SF小説の名作として誉れ高い「宇宙の戦士」が原作のこの作品、私もこの小説は読んでいて、まぁ随分前の事だったから細かい箇所はあんまり覚えてないのだけれども、どうも映画化された作品と原作のイメージが違う。地球連邦軍と昆虫型のエイリアンとの宇宙戦争を中心に若き兵士達の戦いの青春を描くという大まかなラインにさほどの違いは感じないが、真面目な印象が強かった原作に比べ、映画版は何だかそのパロディとも思える程、この近未来戦争物語の背景を皮肉な視点で描き切り、それに加えて容赦しない残酷描写のグロテスクさがこの世界観にさらに拍車をかけている。何だかあまり褒めていないようだけれども実は個人的にはそんなこの映画が大好きなのだ。いかにもP・バーホーベン監督らしいシニカルな演出が、一見タカ派な戦争映画を装いつつ、同監督作「ロボコップの手法を交えながら、SFであっても戦争に対する胡散臭さをじわりと炙り出してくるあたり、好き嫌い分かれるクセのある映画かもしれないが、それだけに個性的で興味深い味わいのある作品だ。
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