映画批評 映画王モリコラム 「タンポポ」(1985/日本)
「タンポポ」(1985/日本)
私事で恐縮ですが、当時この映画に登場した半熟卵がとろ~りのオムライスが余りに美味しそうだったのが忘れられず、その後東京に行った時真っ先にこの“タンポポオムライス”を食べる為、日本橋の洋食屋「たいめいけん」まで足を運んでしまったという事でも思い出深い作品。さびれたラーメン屋を立て直すという物語を中心にしながらオムニバス風に語られてゆくその他の食にまつわるエピソードがユーモアたっぷりに描かれてゆく中、前述のオムライス然り、観ているだけで垂涎モノの料理が出てくるわ出てくるわ。ただ当時この映画を楽しみつつも、その食にまつわる作り手のある種のウンチク振りが多少鼻についた印象を持ってしまったのだけれども、グルメ情報が満載の現在観直してみたら、その感じが希薄になって素直に楽しむ事ができ、そう思うとこの作品は大袈裟だけど今を先取りしていたかもしれないと考えたりするし、いつの間にか「あの店の味は~」とか下手なウンチクを垂れてしまうようになっている今日この頃の自分に気がついてしまうのです。
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