映画王モリコラム「ロンゲスト・ヤード」(1974/米)
■「ロンゲスト・ヤード」(1974/米)
■数あるスポーツ映画の傑作の中でも、この作品は痛快さという点に於いて群を抜いた面白さ。
◇物語は刑務所を舞台に看守対囚人のアメリカンフットボールの試合が描かれてゆくのだが、状況が状況だけに、健全なスポーツ競技になる訳がない。特に囚人側は日頃のうっぷんを晴らす絶好の機会とばかり、いかにゲーム中に相手をぶちのめしていくかという辺りがユーモアを誘いながらも、一方刑務所物のドラマとして、ハードな男臭さ充満の世界が展開されている。
◇特にクライマックスでの迫力あるゲームシーンを通して浮かび上がってくる男の心意気が胸に響いてくるあたりは、さすが硬派映画の雄ロバート・アルドリッチ監督の独壇場。
◇アメフトをよく知らずとも充分楽しめるは勿論だが、単なるスポーツ映画の面白さを超えて、人間ドラマとしても感動を与えてくれる、この監督の娯楽性と作家性の見事なバランスはもっと評価されるべきではないかと思うのは私だけだろうか。
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