映画王モリコラム「セルラー」(2004/米)
「セルラー」(2004/米)
他はどうか知らないけれど、関西では2週間限定のロードショーと銘打たれていたこの作品、気楽な感じで何の期待もせずに観に行ったのだけれども、これがなかなか面白い。ある青年の携帯電話にかかってきたのは、突然訳もわからず誘拐されてしまった1人の女性からのSOS。いたずら電話でなく本当に事件と悟った彼は何とか電話を通じて彼女を助けようとするが・・・。決して大作ではなくむしろ小粒でB級テイストあふれるサスペンスアクションという感じだが、最初から最後までハイテンションで一気に見せきるテンポが小気味よく、携帯電話の便利さの一方、その欠点までも物語の中で重要なアクセントになっており、それらを随所に散りばめることで緊張感を持続させるあたり、実に関心させられる。電話をモチーフにした映画といえば最近では「フォーン・ブース」を思い出すが、この脚本を手がけたL・コーエンが原案を担当、この人ならではと思わせるアイデアが見事に活きた作品だ。
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