映画王モリコラム「復讐者に憐れみを」(2002/韓国)
「復讐者に憐れみを」(2002/韓国)
パク・チャヌク監督のこの作品、製作年度は「JSA」と「オールド・ボーイ」の間に撮られた作品で、これらは“復讐3部作”と言われているらしい。昨年観た「オールド~」はこのコラムでも以前紹介させて頂いたように大いに唸らされたのだが、この作品もかなり刺激的で挑発的だ。ひとつの誘拐が思わぬ展開を呼び込み、それが登場人物達の“復讐”の連鎖となっていく・・・。この絶望的で救いようの無い展開を、一連の三池崇史監督の作品を連想させるかの様な、観客の痛覚を刺激するストレートな暴力描写を交えながら描かれてゆく。それらの描写も含めて主人公が姉と暮らす部屋の雰囲気(特に壁紙)はつい「オールド・ボーイ」を連想させ、「オールド~」ほど物語にヒネリはないものの、この作品との深い関連性を見つける事ができ、興味深い。主人公の1人を演じるソン・ガンホも今迄の素朴なイメージのあった役柄と一転、その眼光鋭い眼差しが映画の魅力に一役買っている。確かに激しい描写や、残酷で絶望感に満ちた展開は観客の好き嫌いがはっきり別れそうな映画といえるかもしれないが、それ故観終わった後のインパクトは強烈な作品となっている。
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