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2006/11/03

映画王モリコラム:アパートの鍵貸します

「アパートの鍵貸します」(1960/米)

ビリー・ワイルダー監督といえば、私が今更言うまでもなく、その練りに練られた脚本を基にして、緩急自在の絶妙な語り口でコメディからミステリィ等様々なジャンルで傑作を残した名監督。日本にも今だ根強い人気があるのも事実で、かの三谷幸喜氏も彼の熱狂的ファンだとかで作品にもその影響がチラホラ。そんな数ある彼の名作群の中にあってもこの作品は彼のベストに挙げる人は多いのではないだろうか。私もつい最近久し振りにDVDで再見したのだが、
製作して40年以上経ているのにも関わらずその面白さは色褪せる事が無く、逆に現在だからこそよりストレートに感動を与えてくれている逸品である。出世の為に、不倫の逢引場として自らのアパートを上司に貸す主人公(個人主義で実力世界のアメリカと思ってましたけど、この辺りは本質的に日本のサラリーマンとあんまり変わら
んなぁと思ってしまいました)。しかしある上司の不倫の相手が主人公が密かに想いを寄せていた社内の女性だったことから・・・。物語はこの主人公の恋の結末までを、時折ユーモアを交えながら実に緻密に描き出してゆく。さりげない台詞と小道具の登場が後半に思わぬ伏線になっているあたりの展開の上手さに舌を巻きながら、その一方切ない恋心を通じて都会に住む人達の孤独と哀感をそこはかとなく滲み出させるあたりもこの作品の奥深いところで、不倫、出世欲等一見泥臭く重苦しくなりそうな題材が主演のジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの軽妙で愛らしい魅力ゆえ内容の泥臭さが浄化され、主人公に素直に感情移入できる作劇はまさに職人芸の巧さ。この監督の手腕によるとこうも洗練された恋愛映画になるとは・・・と改めて溜飲が下がる。そんな彼の作品は日本のTVドラマ等でも散々模倣されているが、この映画の粋には到底及ばない。その超一流の話術に酔いしれ、最後は心地よい気分にさせてくれる、とにかく観て良かったと素直に思える名画である。

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