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2006/10/20

映画王モリコラム:太陽を盗んだ男

「太陽を盗んだ男」(1979/日本)
今や日本映画の伝説的傑作として評価の高いこの作品、私が初めて観たのはもう20年以上前のTV放送の時だったのだが、その日本映画離れした着想にまず驚かされた。生徒にも馬鹿にされているうだつの上がらない物理教師である孤独な若者が、原子爆弾を製造し、国家権力に戦いを挑むという大胆不敵な物語だったからだ。前半は主人公が自らアパートの自室での原爆製造の過程をじっくり描き出し、サスペンス映画と思いきや、後半は一転原爆を巡る警察との駆け引きからカーチェイスを交えたアクションシーンへとそのスピーディな展開は日本映画には珍しい娯楽映画に仕上がっている。その一方主人公のいざ原爆というとてつもないものを作ったものの、それを何に利用したらよいかわからない戸惑いが、最初に実に他愛のない事を国家に要求してしまうというあたりの皮肉めいた展開は核そのものの存在を含めて現代にも通じるテーマ性を持ち合わせて興味深いし、そんなニヒリスティックな主人公とそれに対峙する熱血刑事の執念のコントラストが作品にメリハリを与えてくれている。アクションシーンの所々は「んなアホな!」と思わず突っ込みを入れたくなるようなトンデモシーンも登場するのだが、そういった欠点を補って余りあるほどこの作品の発散するエネルギーと毒気のあるテーマ性は今観ても新鮮な面白さを提供してくれている。この映画を撮った長谷川和彦監督もこの作品以降全く新作を撮っていないのだが、作品と同時にこの監督自体も現在伝説化、念願の企画「連合赤軍」も含めて是非復活してほしいのだが・・・。

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