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2006/07/21

映画王モリコラム:カーズ

「カーズ」(2006/米)

「トイ・ストーリー」から始まったピクサーのCGアニメーションほどれも子供ばかりか大人も楽しめる作品としても質が高く外れがない。この新作もその前例に漏れず充分に私は堪能することができた。今回の作品は人間は一切登場せず、擬人化された車が所狭しと活躍する。レーシンングカーの主人公がレース場への移動中にあるさびれた田舎町に迷い込み、そこでの交流が高慢な主人公の心を解きほぐしてゆく・・・という成長物語的な展開はシンプルで予定調和ではあるのだが、冒頭のレースシーンでのスピード感と画面隅々までにこだわったようなディテールの細かさにまず驚かされ、その車の光沢の美しさと質感は一瞬実写と勘違いしてまうほどリアルである。

その一方、中盤は田舎町での広い荒野等自然を捉えたショットの美しさが郷愁をそそる。それ故に時代に取り残されてしまったさびれた田舎町のエピソードは観客、特に大人にとっては胸に刺さるような哀感を感じるのではないだろうか。失われてゆくモノに対するシンパシー、この映画のジョン・ラセター監督は前作「トイ・ストーリー」シリーズでも同様のモチーフを物語に巧みに挿入させていたが、そこが単なる陽気で明るい映画とは一線を画す厚みを作品に与えている。最先端の技術を駆使したCGアニメでありながら、かつての古き良き時代やモノに限りない愛着が注がれている、いい意味での人間臭さを感じるあたり、この作品始めピクサーの作るCGアニメの魅力のひとつかもしれない。

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