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2006/03/23

映画王モリコラム わらの犬

「わらの犬」(1971/米)

この映画は初めて観たのは約20年以上前の、TVの深夜放送でだった。観る前は殆ど予備知識もなかったのだけれど、当時の私にとって今迄観た事がないインパクトの強い映画でかなり驚いてしまっ。暴力がはびこるアメリカを嫌って、妻の故郷イギリスの片田舎に引っ越してきたダスティン・ホフマン扮する数学者。しかしここでも人間の暴力から逃れられず、ある事件をきっかけに自らの家を守る為に暴力に立ち向かう・・・と書けば単純なアクション映画の筋立てみたいだが、監督が暴力派と言われたサム・ペキンパーとくれば当然そうはならない。ここでは前半の、平和主義者と描かれながら実は臆病な事なかれ主義で、妻がレイプされた事にも気付かない鈍感なインテリの主人公の筈が、クライマックスで自らの暴力性に目覚め、その恍惚にうち震える姿が真正面から描かれる。それ故にラストの死闘は凄まじいがカタルシスを与えるというよりもむしろ、人間の内なる暴力性の発露をまざまざと見せつけらているようで、正直鑑賞後のある種の後味の悪さは格別である。それ故好みが分かれそうな映画だが、万人が持っているであろう暴力について考えさせると同時に、屈折したヒーロー誕生映画ともとれる挑発的な作品でもあり、その締めくくり方が何ともいえない余韻を与えてくれるあたり、一筋縄ではいかない魅力の溢れた作品である。。

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